木造住宅の耐久年数とは | 古民家リフォーム・注文住宅・木造住宅建築は埼玉県東松山市の(有)宮一技工

こんにちは！
埼玉県東松山市に拠点を置き、こだわりを持った家づくりを信条としている有限会社宮一技工です。

みなさんは、お住まいになっている木造住宅の耐久年数について考えたことがあるでしょうか。
ニュースなどで「日本の木造住宅の寿命は短い」と聞いて、心配になった方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、『木造住宅の耐久年数とは』というテーマを取り上げます。

海外との比較

イギリスやドイツで100年前後、フランスで90年前後、アメリカでも40年～50年とされている住宅の寿命ですが、「日本の木造住宅の寿命は30年」とも言われており、諸外国と比較して低い数字となっています。
もちろん石積みと木造といった材質の違いやデータ取得基準の差異など、考えられる要因はさまざまありますが、実際のところ、この数字にはある種のメカニズムが働いています。
そして、そのメカニズムの働きによって、「日本の木造住宅の寿命は短い」という誤解が生じていると考えられます。
ではなぜこのような誤解が生まれてしまったのでしょうか？

誤解の生まれるメカニズム

耐用年数

耐久年数と類似した言葉に、耐用年数があります。
耐用年数とは、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定められた税法上の「法定耐用年数」を指し、木造住宅は22年と定められています。
あくまでも「減価償却資産の耐用年数」であって、実際の木造住宅が22年しか持たないということではありません。
にもかかわらず宅建業者や金融機関では、この「法定耐用年数」をもとにした「原価法」による建物評価が一般的です。
この方法では建物そのものの状態や機能などを評価対象にしないため、築後20～25年で建物の市場価値がなくなってしまう計算になります。
「築後20～25年で建物の市場価値が0になる」という慣行が、「日本の木造住宅の寿命は短い」という誤解を生んだ要因のひとつと考えられます。

リフォームより建て替え

住宅内の設備や仕上げ材の寿命はおよそ30年だと言われています。
そのため、築30年を過ぎるとリフォームなどのメンテナンスが必要になります。
大規模リフォームともなれば多額のコストがかかるため、「いっそのこと建て替えようか」と建て替えを選択する方が多い傾向にあります。
また耐震リフォームを検討する場合にも同様のことが起こります。
築30年以上の住宅の多くは、現在の耐震基準を満たすことができません。
そうなると当然リフォームのコストは高くなり、実際にはまだまだ住めるにもかかわらず建て替えを選択するという方が多くなるわけです。
このように「リフォームよりも建て替えを選択する」ということも、「日本の木造住宅の寿命は短い」という誤解を生む要因のひとつとなっています。

耐久年数とは

では実際の木造住宅本来の寿命である耐久年数はどうなのでしょうか。
木造住宅の耐久年数を考える場合、躯体、屋根材・外壁材等の外部仕上げ、内部仕上げ、設備等の寿命を考えなければなりません。
躯体であれば、一定の劣化対策をすることで50年～90年、中には100年持つと認定される木造住宅も存在します。
外部仕上げ材の寿命は概ね30年程度ですが、材質によって変化します。
たとえば、陶器瓦葺きであれば25～50年ですが、化粧スレート葺きであれば20～40年です。
内部仕上げや設備の寿命は概ね20年ですが、外部仕上げと同様に材質などによって変化します。
つまり同じ築年数であっても、材質が違えば木造住宅の寿命は変わってくるわけです。
またまったく同じつくりの木造住宅であっても、水はけなどの立地環境やメンテナンスの有無によっても劣化の進み具合は違います。
ここまでご覧いただいたみなさんであれば、木造住宅の寿命が一律同じであるはずがないということをご理解いただけたと思います。
さまざまな条件を鑑みたうえで算出される木造住宅本来の寿命こそが、耐久年数だと言えるのです。

本コラムが、「木造住宅の耐久年数」について知っていただく機会になれば幸いです。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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